2023.02.03

シャークベイの天日塩と三井物産50年の歩み

SDGsオーストラリア 塩シャークベイ 塩

食用の他にも、さまざまにカタチを変えて暮らしの中に溶け込んでいる塩。私たちが生きていくために欠かせない塩の安定供給を目指して、1973年、三井物産はオーストラリアで塩の生産事業に乗り出しました。これが、天日塩・シャークベイソルトのスタートです。以来、生活水準の向上と人口増加を背景に需要が増えるアジア各国向けを中心に、付加価値の高い食品加工向けの輸出を拡大しています。
本記事では、日本において食用、工業用問わず存在感を示し続けるシャークベイソルトと、三井物産が歩んできた歴史を紐解いていきます。

塩の安定供給を実現するためにシャークベイの塩田事業に出資

三井物産が塩田事業に乗り出した1970年代、日本ではソーダ事業が勃興し塩の需要が高まる一方で、塩業整備の法律改正によって塩田用地の利用が制限されるようになっていました。そこで、もともと一次問屋として塩の販売を行っていた三井物産は、塩の安定供給を実現すべく、国外での生産に乗り出します。1973年、オーストラリアにあるシャークベイの塩田事業に出資参画。その後、2005年に100%子会社化しました。
シャークベイでは、1960年代半ばに塩田がつくられ、1967年から塩の出荷が行われていました。ユネスコの世界自然遺産に登録される美しい自然環境で生産される塩は高い品質を誇り、消費の7割以上を工業用が占める需要構造にあって、供給の大部分は食用として輸出。マイルドな味で、付加価値の高い食品加工向けに需要が高まっています。

製塩環境に優れ、日本をはじめアジアに向けた輸出に適したオーストラリア

三井物産がシャークベイに着目したのは、環境・立地共に非常に優位性があるからです。晴天が多い乾燥した気候、外洋より塩分濃度が高い清らかな海水、水深が浅く広大な天然の入江。太陽と穏やかな風に恵まれたシャークベイは、塩田事業に適した奇跡的な土地です。ここでは、2〜3年という長い時間をかけて、CO2をほとんど発生させない、環境への負荷がほとんどない「天日干し」で塩をつくることができます。
また、輸出先である日本をはじめ韓国、台湾、東南アジア地域に近いため、輸送負荷も最小限に抑えられることも大きなメリットです。近年は中国におけるソーダ工業が勃興する一方で、中国国内では塩田建設が規制されているため、中国向けの輸出も伸長。シャークベイ塩田では、港湾設備を増設して出荷能力を高めるなど輸出能力を拡大し、総合的な原料塩サプライヤーとして積極的な事業展開を行なっています。

現地従業員の住環境の整備、福利厚生にも力を注ぐ

オーストラリア西部パース市の北約800kmに位置し、近隣の町まで300kmほど離れているシャークベイ。ここで暮らしているのは操業当初から塩田関係者のみで、約70名の人々が小さな「街」を営んでいます。三井物産が100%出資するようになってからは、従業員宿舎の整備や子弟の教育施設、福利厚生の完備に注力。文化交流の一環として、従業員の子弟が通う小学校では日本語の授業も行われています。
安心・安全で高品質な塩は、このように安定した就労環境のもと、熟練した職人たちが丹精込めてつくりあげているのです。

環境保全に貢献する高品質な原料塩をお探しの皆さまへ

自然の恵みである太陽と風、そして環境への配慮を優先する人々のチカラによって、じっくり丁寧に製造されているシャークベイソルト。様々な産業で塩原料を必要とするユーザーの中には、SDGsへの取り組みの一貫として、シャークベイソルトの導入を検討されている方も少なくないようです。ぜひ皆さまにも、見て、触れて、味わって、その品質の高さを確かめていただきたいと思います。ぜひ、気軽にお問い合わせください。

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